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砂漠の月、星の姫~road to East~
第2章 第二夜【国境の月~road to east~】
―この男は嘘をついている。
なにゆえ、男が吟遊詩人だと身分を偽っているのか、タリムには判らないが、やはり、気を許すことはできない相手のようであった。
タリムと男は炎をはさんで向かい合う形となった。タリムはただ黙り込んで、燃え盛る炎を見つめる。男はその向かい側で背負ってきたらしい大きな布袋から何やら取り出していた。意識して男の方を見ないようにしていると、気が付いたらしい男が苦笑して、タリムに何かを差し出した。
なにゆえ、男が吟遊詩人だと身分を偽っているのか、タリムには判らないが、やはり、気を許すことはできない相手のようであった。
タリムと男は炎をはさんで向かい合う形となった。タリムはただ黙り込んで、燃え盛る炎を見つめる。男はその向かい側で背負ってきたらしい大きな布袋から何やら取り出していた。意識して男の方を見ないようにしていると、気が付いたらしい男が苦笑して、タリムに何かを差し出した。