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羊にご用心!?
第2章 ~お嬢様、躾のお時間です~

「そこは、気にしなさいっ!」

 リリムは、ドンッとアルの胸板を押しのける。

「お嬢様、ワタシは間違っているのですか?」

 アルは、 ふるると手を震わせ胸にあるお嬢様の手を握り、今にも泣きそうな顔をしている。

 そんなアルを見ているとリリムは、ひとり狼狽えていることさえ馬鹿らしく思えてしまう。



「そ、そうね。うん、間違ってる、着替えはメアリーに頼むわ」

「やっぱりワタシは執事に向いてないのですね、お嬢様の着替えもろくに出来ないなんて」

「うん、それは意味が違うから」

「お嬢様、お願いです。着替えをワタシに手伝わせて下さい」

 アルは、どうやら勘違いをしてるようだ。

 リリムは、ハァーとため息をつく。

 年頃の男女が、朝から何をしているのだろうかと、そしてアルは自分を何とも思っていないのだと確信する。

 ────ええ、どうせ、幼児体型よ。

 リリムは年頃の娘にしてはやや胸が寂しかった。
 スラリと細い身体は美しくもあるが女性としての魅力的な身体とはいい難い。

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