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初恋の相手は人類最強の兵士長でした
第2章 ―惑い―
「――っ、あのクソガキ……」
「…驚いた、まさかエレンか?」
「ああ…ったくこんな派手に残しやがって…」

溜息混じりに呟くと、シャツのボタンを全部止め、
スカーフを巻き襟元をしっかりと隠した。

「聞いてもいいかな?どういう経緯でそうなったんだ?」

身支度を整えながら少しバツが悪そうにリヴァイは答えた。

「…真っ直ぐに気持ちをぶつけられた。
成り行きもあったが、俺も嫌じゃ無かったから拒まなかった」
「なるほどね」
「黙っていたのは謝る」
「いや、謝らなくていい。ある意味私達は割り切った仲だろう…?」

エルヴィンと所謂身体の仲になってから随分とたつ。
お互い恋愛感情がある訳ではないが、二人の間には強い信頼関係がある。
それ故に、潔癖であるリヴァイもエルヴィンとの関係に嫌悪した事はなく、
エルヴィンに求められれば、抱かれていた。
そしてお互い快楽の波を幾度となく漂ってきた。

「彼は私とお前の関係を知ってるのか?」
「まさか。そういう相手がいるとは言ったが、エルヴィンだとは言ってない」
「怖いねえ。バレたら私は噛み付かれそうだ」

くすくすと笑うエルヴィンの姿は少し楽しそうにも見える。

「私はお前をもう抱けなくなるのかな…?」
「……さあな…」

エルヴィンに背を向けたまま、そっけなく答える。
リヴァイ自身も、エレンと関係を持ってからまだ日が浅く、
自分の感情などがよく分からないまま、複雑な心境だった。

「しかし、エレンか。まだまだ子供だと思っていたが…」
「…とんだマセガキだ」
「翻弄されているお前も悪くはない」
「面白がってんじゃねーよ…」

ブーツを履き、身支度を整えたリヴァイは足早に出口に向かった。
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