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ラブカルチャースクール
第11章 NEXT Level S
マッサージスクールの資料が入った紙袋をぶら下げて、家路に向かう。

最寄り駅に着いて、家に帰る前にスーパーに寄った。

今日は、何を作ろうかな…。

何となく肉を食べたいけど、秋刀魚が安かったので今日は魚にする。

後は野菜が沢山入った、汁ものにしようかな?

白菜買いたいけど、ちょっと重いから明日、旦那と買いに来よう。

今日の特売品や納豆に卵っと…消費が激しいのは買っておく。

紅茶の茶葉は拘って、地方の専門店から通販をしている…楽しみの一つ。

今度、茶葉をスクールに持ち込もうかな…。

「1258円です!」

「はい…。」

1310円出して、52円のお釣り。

スーパーを出て家に向かう景色も迎える平凡な日常も、いつもと同じ。

でも、私は無意識に鼻唄を歌っていた。 

今日は、伊野琴海…私にとって二度とない記念日。

大好きと思える人と…身体が一つに成れた日。

『女』として、こんな幸せな事は無い!

「ふふ…ふふふ…。」

ニヤケる私を通りすがりのおばちゃんが、不思議そうにチラ見した。

これから先も…一生一人で抱える秘密だけど…色褪せてつまらなかった人生が、一瞬にして薔薇色になったんだ。

「ごめんなさい…。でも…許して…。」


狡いけど『許して…』


これは、叶わない『恋』だから…


紙袋を見詰めて呟いた…。

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