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ラブカルチャースクール
第19章 2 Years ago
「ん…あっ…琴海…待って!」

「セイジ…お願いっ!」

後先なんて考えてなかった。

例え我儘と思われ様と、これで嫌われても、こんな逢瀬は二度と来ないと思う。

これは、たまたまの偶然が重なり合った運命の悪戯であって、自分たちからは作りあげる事はきっとない。

あの軒下で今日、出逢わなかったら…セイジだって2年前の話は、しなかっただろう。

そして、一生『生徒』と『講師』だ。

この夢が終わってセイジが帰ったら、明日から現実なんだ。

だから…ほんの一瞬だけ…もう二度と叶わない夢ならば、今叶えたい。

「琴海……もう…イキそうだから…ね…。」

私は必死に、首を振り

「一緒にイコって…一緒にイキたいの!」

これから先の人生を…一緒に『行く』事も『生きる』事も出来ないなら、今だけは…『逝く』のを許して…。

人間は…綺麗な生き物じゃない…。

真っ当に生きて来ても、何かの拍子で欲望の芽は頭をだす。

貴方の邪魔は、しないから…。

貴方を『好き』って言わないから…。

もう、我儘を言わないから…。

お願い…束の間の幸せを私に下さい!

「ひっ…ひっく……セイジ…私のせいにして…いいから…お願い。」

感情が昂って、思わず涙が溢れた。

泣き出した私に、セイジの動きが一瞬止まる。

「ふっ…ひ…ひっく…。」

セイジは、目尻から伝う涙を唇で拭って

「琴海…一緒に…イコうね…。」 

優しく…耳元で囁いた。

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