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ラブカルチャースクール
第22章 Lessons of F
マスターコースに進みたい理由は、セイジとなるべく一緒に居たいからだ…。

何かを得る為には、何かを犠牲にしなければならなくなる。

私に、そんな覚悟…出来るかしら…。

少し考え込んでいると

「琴海様…マスターコースにご興味があるのは有難い事ですが…先ずは無事にスタンダードカリキュラムを卒業する事を考えましょう。」

柔らかな表情で、ヤナセが励ます。

「このスクール自体特殊ですから…無事に卒業出来る事が、スクールとしても一番願っております。」

「はい…。そうですよね…何事も無く…無事にですよね…。」

ヤナセの真剣な顔に、現実を突き付けられる。

旦那にバレてもいけない…。

スクールに、セイジへの気持ちを知られてもいけない…。

ただ、無事に卒業する事が最優先…。

でも……その先に何が残るのかな…。

セイジへの気持ちを隠したまま…旦那の顔色を伺って…身体だけ奉仕していく人生を過ごすの?

何年も…何十年も…。

小さな不安の火種が、全身を一気に覆いつくし、目眩がしそうになる。 

「琴海様…顔色が悪いですが…やはり体調が…。」

ヤナセが心配して、目を細める。

「あっ…大丈夫です!取り敢えず明日、実技無しでも来させて下さい!マスターコースも考えたいので!」

「…意欲的ですね…琴海様のそういう一生懸命さに、触れたら心動かされてしまいますね…。」

フッと、花咲く様に笑う美しい笑顔が、何か知ってそうで不安になる。

「では…明日のレッスンお待ちしております。お気を付けて来て下さい。」


ヤナセの言葉が、まるで何かを予言しているみたいだった…。

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