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悪魔みたいな幼馴染
第12章 12
薄々気づいてはいたんだ。
千晶くんが来た時、間取り図が書いてある紙を見たら大学近辺の一人暮らし用のアパートが何件かピックアップされていた。
多分、俺に嫌気がさして引っ越そうとしていた。
十分な仕送りがあるのにバイトしてるのは引越し資金を貯めてるってこと。
「千紗…、頼むから引っ越すとか言わないで」
千紗は何も言わない。
それどころか俺の背中に回ってた腕が力なく下がっていく。
「千紗…?」
体を離して下を向いた千紗の顎に手を添えて上を向かせると、目には涙が溜まっていた。
その涙が目尻から流れ落ちるのを見て、すごく焦った。
また千紗に嫌われたかもしれない…。