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碧い雨の夜に…
第1章 【衝動的に……】
「リセちゃんは何とも思ってないのかも知れないけど、ボクが男の子だってこと忘れないでください、急に裸になったり酔っ払って可愛い姿見せたり今みたいに何の躊躇もなく抱き着いたりされると心臓何個あっても足りない……です」
「え……?」
5秒ほど固まってしまった。
「ほら、困ってる」って私を見る。
「だから、ボクは本当は健全な男の子なんです……考え直すなら今だよ」
長い脚を組み直して視線を逸してる。
「わかった、距離感保つ、同棲するのに考えは変わらない」
「ど、同棲!?同居…じゃなくて?あ、シェアハウス…とか?」
「男女なら同棲っしょ?」
「いや、響きが何か……」
「アハハ!私より乙女だね?もう何でも良いじゃん、一緒に住もう?はい、決まり!」
手を叩いて強制終了する私に「宜しくお願いします」って可愛く微笑むのはアウトじゃないんだ?
いや、何かズルいのよ、何もかも。
男の子だって一線引いてくるくせに最後は全部かっさらってくんだもん。
ムカつくから思いきり距離詰めて鼻の頭がくっついちゃうくらいまで近付いたらハッとしてる。
固まっちゃって可愛いね。
「こういうのもナシってことだね?ナオも気をつけてね?」って逆に注意喚起してやった。
黙って頷いて顔を赤くしてる。
なるべく近いうちに荷物まとめて来ることになった。
あまり会えないからリモートで私の母親と挨拶してくれた。
「ワハハハ!」って豪快に笑って
「バカ娘だけど宜しくね!」と余計な一言つけて快諾された。
私より髪色派手な自由奔放な母親に終始圧倒されながらもずっと正座でペコペコしてるからウケる。
この時、ナオは男の子の姿で挨拶した。
嫌じゃないよ、本当の自分で会いたいからって言ってたけど。
女の子の姿でびっくりさせたかった気もあったんだけどな。
いつかドッキリ仕掛けようと悪戯心に火がついた。