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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
「じゃ、残さず食えよ」
「それは……後で食べるもん」
「はい、絶対ウソ、食べてるの見たことねぇ」
また始まる言い合いにポツポツやって来たダンサー仲間が笑って見てる。
「いや、だからコレも私のだってば」とドリンクのカフェラテを取り返す。
「良いじゃん、付き合ってるんだから」ってまた他の人が居れば言いふらす癖。
「理世の彼氏はアキラじゃないよ」とはっきり言ってあげる。
周りも皆に知れ渡ってしまったのにまだ言うとかしつこいね。
それを面白がって「早く別れて?」って茶化してくる。
「これ片して良いですか?」ってアキラが食べて出したゴミをナミちゃんが聞いてる。
ふざけてた顔が一変して「あ、俺がやるね」って。
「この前言ってた転生もの漫画面白かったわ」
「え〜本当ですか?良かったです」
って普通に会話出来てるじゃん。
そう思って見てたら他のメンバーが
「なんだかんだ言ってヤキモチ妬いちゃうんだね?」とイジってくる。
そんな目で見てないから。
良かったなって思ってたとこだよ。
ナミちゃん恋してる横顔だなって。
だから私がもっと気を付けないとだよね。
かと言って、振り付け中はそうもいかない。
身体を預ける時もあるし顔も近い。
どこかしら触れてる。
同じ空間で密になるのは仕方ない。
だから、こんなところナオに見られたら間違いなく嫉妬するんだろうなって。
撮り終えた動画をチェックして修正していく。
真剣に観てるのに頬をプニッと抓ってきたりちょっかいを出してくるから顎持って引き寄せ一緒に観る。
そういうところだぞって言われるだろうけど、こうしないとすぐ悪さするから。
また没頭して距離感忘れて話しかけてしまうからかなり至近距離な時がある。
「いや、近い近い」と顔を遠ざけると
「お前が引っ張ってきたんだろ」と笑って怒られる。
スタジオはシャワー室も完備してあってダンサーたちは一汗掻いたら汗を流す。
夜の練習生にコーチするまでに皆浴びてる。
「理世、ちょっと良い?」とオーナーに呼ばれた。