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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】





この子は本当に危険な彼氏だ。
ヤバいぞ、根こそぎ持っていかれる。
言った傍からパーカー着るんだもん。
フードも被って匂い嗅いでる。




__あ〜幸せ、リセちゃんに包まれてる




「私もナオの服持ってくれば良かった」




ボソッと言っちゃった。
ニンマリしちゃって。
あまり無理しないでねって言いながら匂い嗅ぎ過ぎだから。




__帰って来たらエッチいっぱいしようね




「ぷはぁっ…!」




飲んでたお茶吹き出したわ。
また誰も居ないのにキョロキョロする。
うん、と真っ赤な私は頷く。




__大丈夫、ボク待てる子だから、今はダンスモードのハードバージョンだってことわかってるよ




「ハードバージョン?ふふ、何それ」




__リセちゃんが一番自分らしく輝いている時間ってこと、何においてもダンスに命賭けてる瞬間だよね、言っとくけどボクが一番近い存在で一番のファンだから誰よりも応援してるし誰よりもリセちゃんが大好きだからね




気を抜いてたら一瞬泣きそうになる。
鼻の奥がツンとしたけどどうにか堪えた。
続き、頑張るね。
私こそ充電出来たよ。
これは勢いに乗ってとんでもないのが降りてきそう。
コレ乗り越えたらナオと……て思ったら不謹慎だけど100倍頑張れる。




電話を切った後も明け方まで踊り狂った。
残りの体力でシャワーを浴びて仮眠室のソファーで爆睡した。




「リセ…………リセちゃん」




何となくそう聴こえて眉がピクリと動く。
髪を撫でてくれてるの?
お家で待てなくて此処まで来ちゃった?
顔見たくなったってナオなら来そう。
クスッと笑ったら「起きてるの?」って。




無意識に手を伸ばしたら握り返してくれる。




「朝までご苦労さま」




風邪引くよ?とか凄く優しいね。
まだ眠いの………さっき寝たところだから。
ごめんね、会いに来てくれたのに、瞼が開かない。
でも、行ってしまいそうな気配がしたから思わずその手を掴んでしまった。




ムクッと起き上がって髪がボサボサのまま正面から抱きついた。




「エッチ、お家まで我慢出来る?」




そう言った瞬間、違和感に気付いた。
ナオはこんなにムキムキじゃない。
力はあるけどもっと細いから………え?誰?









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