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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
「わかった、ごめんなさい」
コンドーム、ポケットに直してる。
「じゃ、2時間だけ待つね?」ってその後言ってきたから吹き出した。
やっぱり最高だわ、ナオって。
ちゃんと待つこと出来たね。
久しぶりにキッチンに立って自炊してる。
肉じゃが煮てる間はステップ刻んで自然と踊っちゃう私を見て「すごーい」って言ってくれるナオ。
ダンサーあるあるなんだけどね。
ちょっとした隙間で踊るってやつ。
新しい振り付けが降りてくる場合もあるし、常にビートを刻んでおくの。
「ナオも踊る?いつでも教えるよ」
「本当?ボクも出来るかな?ダンス歴全然ないけど」
そうだ、とピンときた。
ご飯を作り終えてから、リビングでナオと並ぶ。
初心者に教える最初のステップからナオに伝授していく。
ボックス(足を正方形に動かすステップ)、
クラブ(カニ歩きステップ)、
ランニングマン(その場で走るようなステップ)、
ポップコーン(跳ねて前後左右にリズムを取るステップ)
ヒップホップダンスで基本中の基本ステップをひと通り教えてみた。
さすが体幹鍛えてるだけあって習得もずば抜けて早い。
顔は出さずに動画を撮ってみた。
キャップ帽を深く被りマスクをして並んで踊る。
これを今日から少しずつレベルアップしていって、普通に踊れるようになるまでを記録しようと思った。
だいたい普通の人なら1ヶ月もあればひと通り踊れるようになると思う。
つまり、24〜25回くらい私のレッスンを受けたら中級レベルには達せれるんじゃなかろうか。
1日たった30分でも良い、何なら10分でも。
続けることが大事。
ダイエットと一緒だね。
薄っすら汗掻きながら「楽しい〜」って言ってくれるのが嬉しい。
「あ………リセちゃんみたいに踊れてる?」
「うん、上手い上手い、その調子」
【ダンス経験者が初心者にヒップホップを教えたら何日目で踊れるようになるのか/1日目】というタイトルで編集して短い動画をアカウント作って投稿してみた。
アカウント名はリセとナオから取って「RIO」(リオ)に。
ただの記録だと思って軽い気持ちで細々とやっていけたら良かっただけなのに。
徐々にフォローやイイネも貰えるようになった。