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Biastophilia💋
第1章 Biastophilia



私は性犯罪者に恋をしたの。
初恋だった。
塾の帰り道は周囲の音を遮断する為に音楽を聴いた。


私は、あの興奮を味わいたくて、またあの男が私に手を出してくれるのを待ち続けた。



だけど一向に現れなかった。



だから、こっちから探してみる事にした。


手掛かりはあまり無かった。
覆面を被っていたから、顔は分からない。
ただ彼はとても高身長だった。


「電車でも何度も良く見かけたんだ。可愛いね。」

私は強姦された日の記憶を辿っていくうちに
行為の最中、確か1度だけ、そんな事を言われたような気がしたの。


電車は塾帰りに必ず使う公共交通機関だった。


無謀だと分かっていながら、私は塾に行く予定がある平日、注意深く乗客を観察した。



そしてね、奇跡が起こったの。


私はその男を自力で見つけた。
足腰の悪いお婆さんに席を譲っている場面を偶々目撃した。


180cmは優に超えていたと思われる彼の声は
私に性暴力を振るっていた声と瓜二つだった。



彼は凶暴な獣になりながらも
声だけはとても優しかったの。


全身に鳥肌が立った。
コイツだって思ったの。



彼は何処にでも居そうな、会社帰りのサラリーマンだった。
彼に私の存在が気付かれぬように気をつけながら、こっそり私は後をつけた。

時々、後ろを振り返る彼を尾行するのはスリルがあって楽しかった。



住宅街の、とある一軒家に入っていくまでは、探偵の気分を味わえたの。


彼、もしかして独り身じゃないの?って思った瞬間、
腹立たしい事に、その一軒家から子供の泣き声が聞こえてきた。



妻子持ちだった。



丁度、家のインタホーンを鳴らして、出てきた彼に告白しようと思っていた私は、
悲しみのどん底に突き落とされたの。







落ち込む事は無いわ、千秋。

女と子供を消せばいいのよ。

そうすれば、きっと彼は私のものになってくれる。





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