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Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
だけど異常に気持ちの切り替えが早くて楽観的な私は、すぐに立ち直れた。
私は男の住む一戸建てを目に焼き付けたまま帰宅すると、早速匿名性の高いアプリを使って偵察と殺人を依頼した。
報酬は300万。
そのうち100万だけは前払い。
相場が分からないから、金額はてきとう。
私は、か弱い18歳の女の子。
女性と子供、どちらも確実に殺せるか自信が無かったの。
だから人を雇う事にした。
腕っぷしの良さそうな2人の大柄な男達が私の仕事を請け負う事になった。
金が底をつきそうだ。
何だってやると言っていた。
殺しの手段は彼らに任せる事にして、私は彼らに男の住所を教えた。
そして夫が家を空けていて、女と子供が確実に家に居る時に殺害してくれって頼んだの。
平日の水曜日の日中に行われる事になった。
その間、私は学校に行っていたけど、午後は体調不良だから早退すると先生に一言告げて、帰宅せずにあの男の家に向かった。
途中、依頼完了の通知が来たの。
私は嬉しくなって、駆け足で現場で向かった。
煩い子供もその子供をあやす母親も居ない。
家の中は神隠しにでもあったかのように、しんと静まり返った。
私だけの家みたい。
まるで新居を購入したような気分になって、私は食器棚から猫の模様が描かれたマグカップを取り出した。
その隣には色違いのマグカップが1つ置かれていた。
私はそのマグカップに冷蔵庫の中に入っていた牛乳を注いだの。
それをレンジで温めた。ホットミルクを作ったの。彼、もしくは彼の奥さんが使用していたマグカップの縁に口を付けてゆっくり飲みながら、彼が帰宅するのをずっとリビングルームで待ち続けていた。
結婚指輪も何もないけど、
彼の奥さんの気分をホットミルクと一緒に味わっていた。