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第13章 特別クロッキー会①

10月の第4水曜日、この日はあれから２ヶ月ぶりの裸婦クロッキーの日だ。
いつものように市内巡回バスでコミュニティーセンターへ赴く。

施設二階の美術室に入ると梨果の父親である講師と川瀬氏とあと数人の受講者が準備を行っていた。

「こんにちは。」

各々に挨拶し、自分のイーゼルを準備する。

「どうもー。」

薬屋の富山氏がやってきた。
彼とは先週の教室で少し会話をするようになった。
特別クロッキー会の参加者の一人なので人となりを伺う為だ。

薬剤師の彼はいかにも理系で神経質そうに見えたが、案外気さくな人物であった。ただ思った事をすぐに口に出すタイプと思われる。

もう一人の未知の人物だった写真館の真田氏は私と歳が近く中学生の子供がいるとのことで会話はしやすかった。フランクで飄々とした性格で物怖じしない性格ではないかと推察する。

その後続々と受講者が集まり一般参加者が前回より増えて40名近くになってこの教室も少々手狭に感じた。

受講者の中から梨果の話題らしき会話が聞こえた。見覚えのない顔なので一般参加者だろう。
やはり女子中学生ヌードモデルの噂を嗅ぎつけて期待して来たのだろうか。