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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第34章 一泊温泉旅行①
その後の美幸の活躍は目覚ましいものだった。友也が調べたところ河海塾がスポンサーをしている国民的学園ドラマシリーズへの出演が決まったらしい。
そして夏にはその時々の旬の美少女タレントを起用してきたスポーツドリンクのCMへの主演も決定しているとの事だった。

「美幸ちゃん凄いよね、たちまち雲の上の人だね。」

「ああ、うん…。」

知人の脚本家に聞いたところ、美少女タレント界隈での有力者への身体の提供、つまり”枕営業“というものが密やかに横行しているとの事だ。美幸が活躍すればするほど、どれだけの大人たちに抱かれたのだろうかと邪推してしまう。
もちろん純粋に実力で仕事を勝ち取っているかもしれない、そうであって欲しいと願うばかりだ。



「さて梨果、そろそろ出掛けようか。友也は?」

「友也くーん、いくよー。」

梨果が二階に向かって声をかける。

「眠いー…。せっかく春休みなのにこんな早起きしなきゃとは…。」

友也が荷物を持って眠たそうに降りてきた。

今日は春休み入った子供たちを連れて神奈川方面に一泊の温泉旅行に行くことになった。
各々の荷物を抱えて駅へと向かう。



「ふあぁぁ…。」

「友也くん、そんなシャキッとしない顔で奏音に会う気なの?」

列車に乗りあくびをする友也に梨果が突っ込む。

「問題ない、逢うまでには覚醒する。目指すべくその地に辿り着くまでには!」

「…もうすぐ中3なんだからそういうのやめなよ。」


乗り換え駅で下車する。お忍びの頃梨果とよく待ち合わせたオブジェの前に来た。

「ここ…そんなに前じゃないのに懐かしいね。」

そう言いオブジェを見上げる梨果。

「あの頃に戻りたい?」

「…ううん。今が幸せ。」

腕を組んできた。


「お待たせー。」

奏音がやってきた。その後ろに隠れるようについて来る小さな生き物は美月だ。

「奏音さんに美月さん、おはよう。…美月さんはなんでそんな厚着なの?ピグモンみたいだよ?」

「おはようございます。なに?ピグモンって。」

「あ、えーと…いや。」

「梨果、ピグモンってなに?」

「え?私に聞かれても知らないよ。」

「奏音、ピグモンってなに?」

「さあ…ポケモンの仲間じゃない?」

「友也くん、ピグモンってポケモンなの?」

「うーん聞いたことないな。父さんなに?ピグモンって。」
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