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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第5章 日帰り温泉旅行②
温泉の出口に休憩所があり、梨果と私は再び水分補給をし、バスの時間まで休息する事とした。
自販機でスポーツドリンクを二本購入し、一本梨果に渡した。

「ありがとう、おじさん。」

「ごめんね、たくさん水分捕ってね。」

「もう、大丈夫だってばー。心配症なんだから。」

休憩所には騒動の時に入浴していた客が残っていた。浴場は一時的に閉鎖になり、清掃が入っているらしい。
私にも間接的ではあるが彼らを焚き付けた節があるので申し訳なく感じていた。否応なく周りから視線を受けているのがわかる。
ギンガムチェックのワンピースに着替えた梨果はここでも異彩を放っていた。何を着ていてもレトロな雰囲気のこの施設では浮いてしまう。
“さっきまでこんな子が全裸だった”のが信じられないといった佇まい。ここにいる男性陣はそんな心持ちで梨果を見ていることだろう。

「おーう、嬢ちゃんたち。体調はどうだい?」

浴場で会話した初老の男がおり、声をかけてきた。大きな体に藍に染めた作務衣姿、雪駄をパタパタ言わせて歩み寄る。
梨果の表情が強張った。

「先ほどはどうも。彼女は大分回復しました。もう少し休憩したら帰ります。」

「そうか、そいつぁ良かった。」

体格がよく筋肉質な彼は声が大きく一層注目を浴びた。

「今から東京に帰るのかい?ここにはどうやって来たんだい?」

「駅からバスです。帰りもそれで駅からは鉄道で帰ります。」

「あやや、そうなのかい。んじゃ車で駅まで送ってやるよ。ここのバスは本数少ないからよー。」

「いいんですか?それは助かります。」

梨果の顔を見ると少し不安そうだった。

「それじゃ行くかい?」

「よろしくお願いします。
梨果さん、行こうか。」

初老の男の車は群馬ナンバーのSUVだった。

「地元の方なのですか?」

「おう、山を下った市街に住んでるから駅は同じ方向だ。気にすんな。乗んな。」

ゴツいドアを開け梨果と二人で後部座席に乗せてもらう。

「お邪魔します。」

温泉施設を離れ、三人を乗せた車は山道を市街地に向けて走る。

「兄ちゃんたちも悪いぞありゃ。そういう趣味なのかい?嬢ちゃんも年頃なのに混浴なんてどうかしてるぞ?」
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