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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第58章 花凜ブーム
授賞式翌日、友也と3人娘と一緒に朝食を摂っていると、テレビのワイドショーで古川英二賞の話題が上がっていた。

「まだやってるのか、もういいよ…。」

正直早く風化してほしい話題だ。
一方梨果は楽しそうに観ている。

「あ、佐藤繁がスタジオに来てる。」

佐藤繁氏は新人賞を受賞した俳優・タレント作家だ。

「やっぱり実物もかっこよかったよね。」

「お爺様と一緒にご挨拶したよ。お爺様ったら私を嫁にどうかなんて言うから困ったよ。」

「は?!奏音は何て答えたの?!」

「お互い笑ってやり過ごしたよ。」


ジリリリリリリン♪ジリリリリリリン♪

「あ、電話だ。」

自宅の黒電話が鳴る。

「友也、出てくれる?私なら居ないと言っておくれ。」

「え!?なんでよ。」

「いいからいいから。」

「もー…。」

渋々玄関にある電話に応答しに行く友也。

しばらくして居間に戻ってきた。

「誰だった?」

「編集長さんだって言ってたけどいいの?会社は問い合わせの嵐だって。折り返し電話欲しいって言ってたよ。」

案の定だった。出版社に取材の申込みが殺到しているのだろう。

「無視無視。どうせマスコミは私の作品より梨果に興味があるんだろうしね。」

「え?マジ?私?」

「「「まぁそうだろうねえ…。」」」

友也と奏音と美月が納得した。

プルルルルルルル♪プルルルルルルル♪

「なんだ今度は携帯か…。」

今度は私の携帯電話に着信が入る。

「仕事関係の人間には番号教えていないのだが誰だろう…。」

携帯電話を開いて見ると河海塾の大久保専務からだった。

「はい、もしもし。」

通話を繋ぐ。

『おはようございます。一条院巴先生ですか?』

「はぁ、大久保さんもその名前で呼びますか…。」

『びっくりしました。まさか貴方が…。おっと、この度はおめでとうございます。』

「はぁ、ありがとうございます。」

『うちに問い合わせの電話が凄いんですよ。』

「すみません。梨果の件ですよね。」

『ええ、ぜひ御本人に取材したいと…。』

「ではその本人に代わります。」

『え?いいんですか?嬉しいなあ。』

(あんたも梨果大好きだな…。)

「はい、梨果。大久保専務だよ。」

梨果に携帯電話を渡す。
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