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ーFeardー
第6章 電話
今―――

目の前に、懐かしい電話がある。
幼稚園の時に、おばあちゃんが買ってくれた、おもちゃの電話。

お母さんが居なくなって、ずっとおばあちゃんとお父さんと暮らしていたのに
あの女が来てから、おばあちゃんは出て行った。
小さい時は分からなかった。
でも、あの女が追い出したにきまってる。

ずっと、ずっとおばあちゃんと暮らしたかった。
優しかったおばあちゃん。

ある時、おもちゃの電話が通じたのよ!
「おばあちゃん?」って話しかけたら
「ミチコちゃん?」
懐かしい、優しい声でそう言ってくれた。

それからアタシはあの女にいじめられている事も
お父さんがアタシの話を聞いてくれない事も
全部全部、電話の向こうのおばあちゃんに聞いてもらってた。
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