パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第8章 赤い泪

人が魅了されるものは3つあるという。

「権力」「財産」「名誉」

その国の政治を操り、経済を掌握する。
最後に残る名誉は家柄。

上流社会の人々は、庶民が知らないうちに姻戚関係という方法で複雑に入り乱れるそれぞれの世界とつながり合う。

権力を持っている者は財力と名誉を持っている者と繋がり
財産を持っている者は権力と名誉を持っている者と繋がり
名誉を持っている者は権力と際力を持っている者と繋がる。

血の結びつきで、契約書よりも深い関係で結びつく。

息子には有力な家の娘を娶り
娘には有力な家の息子に嫁がせる。

何代も続いてきたその家系図は
上流社会を大きな血脈で繋がりを保っている。

「閨閥」（けいばつ）

婚姻関係で結ばれた血脈を閨閥と呼ぶ。

それは現在も脈々と受け継がれているブラッド・リングなのだ―――