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ーFeardー
第8章 赤い泪
お母様が、私に決めた結婚は旧華族の家系で政界に大きな力を持つ原家の長男との縁談だった。
来年出馬するお義兄様の当選を絶対的なものにするのと同時に
お義姉様の従弟で旧華族の原家とさらなる結びつきを考えたものに違いなかった。
「この話、お受けいたします」
その返事は私ではなくお父様の一言で決まった。
軽く見た写真に、変な人じゃなくて良かった。とほんの少し胸をなでおろし
それでも、変な人でもお断りなんか出来る立場じゃない癖に、と自嘲する。
相手がどんな顔でも、どんな性格でも大事なのはお家柄。
私はお家柄と結婚するのだ。
そう育てられてきた。
閉じたお見合い写真にゆっくりと言い聞かせた。
来年出馬するお義兄様の当選を絶対的なものにするのと同時に
お義姉様の従弟で旧華族の原家とさらなる結びつきを考えたものに違いなかった。
「この話、お受けいたします」
その返事は私ではなくお父様の一言で決まった。
軽く見た写真に、変な人じゃなくて良かった。とほんの少し胸をなでおろし
それでも、変な人でもお断りなんか出来る立場じゃない癖に、と自嘲する。
相手がどんな顔でも、どんな性格でも大事なのはお家柄。
私はお家柄と結婚するのだ。
そう育てられてきた。
閉じたお見合い写真にゆっくりと言い聞かせた。