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ーFeardー
第8章 赤い泪
「この家に生まれたのはさだめだよ」
おばあさまは良く私たち姉妹にそう言っていた。
「お前たちがどこに嫁ぐかでこの家の繁栄が決まる。
女は決して役立たずなんかじゃない。
男が自力で手に入れられないものを結婚という閨閥で手に入れる事が出来る」

小さな私たちに良くそう言い聞かせた。

「自分の嫁ぎ先を不満に思ってはいけないよ。
その結婚で得られるものは、女一人の幸せなんかとは天秤にかけられないような重い重いものなのさ」

私たちは年端も行かない頃からそう教え込まれた。

「村田家に繁栄をもたらせておくれ」

私たちの結婚は、恋愛感情では成立しない。
家と家の結婚で、お互いの家をさらなる繁栄させるための血の結びつきなのだ。

ブラッド・リング―――血脈。

それは何よりも大事なものに思えた。
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