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100のベッドシーン
第18章 書けなかった一行を、あなたがくれた
「……なんだか、変な感じですね」

「そうですか?」

「夢みたいだったから」

「でも、夢じゃなかった」

そう言って、彼は私の背中に手を伸ばし、そっと指先で肩に触れた。

一瞬で、昨夜の熱が蘇る。

――私たちは、越えてはいけない線を越えた。

それがどういう意味を持つのか、まだ分からない。

「……後悔、してませんか?」

私の問いに、遼さんはすぐに答えなかった。

沈黙が数秒、私の中で不安を膨らませる。

でもそのあと、彼は静かに言った。

「後悔するなら、最初から誘わない」

その言葉に、私はふっと息を吐いた。

どうしてだろう。安堵と、少しの切なさが交じる。

「……仕事、どうしようかな。今日は午後から会議ですけど、まさか“編集者と作家が朝まで一緒でした”って言えないし」
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