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3度目にして最愛
第2章 2度目は絶望を
20代半ば、母親に頻繁にお見合い結婚の話を持ち出されても、煩わしさを覚えるだけで水城はあまり関心を持てなかった。
試しに話題の恋愛映画を鑑賞しようとDVDを借りるも、生々しいベッドシーンが出てくると不快な気分と嫌悪感で一杯になってしまい、いつも中断してしまった。
映像として浮かび上がってこない小説という形で見る分には一応目は通せるものの、やはり性行為という描写が出てくると、自分の臓器が冷えていく感覚と共に恋愛そのもの自体が薄っぺらく思えた。
すぐさま太古の昔のように感じられる学生時代に心当たりを覚えた。
10年以上の月日が経過しても尚、嫌な思い出は風化せず、一生自分は未婚者のまま生涯を終えるのではないかという薄ら寒くなる危機感が水城の中で初めて芽生え始めていた。