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蜜愛~男になった女~
第2章 第一部【白桜記】 其の一・高嶺桜
「典姫君がこちらにおわすことをお伝えするように」
 おさとの方がそれだけ言うと、お美代は首肯して退ってゆく。
 今日もうららかな陽差しが庭に降り注いでいる。風があるせいか、やや肌寒い。風が通り抜ける度に、高嶺桜の梢が揺れ、雪のような白い花びらが舞い踊る。
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