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蜜愛~男になった女~
第3章 【白桜記】 其の三・巡る想いは
「お願い、お母様を苛めないで」
 ついに典姫は信頼の袴の裾を掴み、烈しく泣きじゃくった。流石の信頼も幼い姫にそこまでされてはなす術はないようだった。
「もう良いッ」
 癇性な声を上げると、袴の裾を蹴立てるようにして立ち去った。
 襖が音も荒々しく閉まった後、典姫はおさとの方に抱かれて火がついたように泣いた。
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