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蜜愛~男になった女~
第3章 【白桜記】 其の三・巡る想いは
「そのように歓んで頂けて、私もお作りした甲斐がございました」
おさとの方は艶(あで)やかに微笑んだ。
「ご覧あそばせ。こうやって遊ぶのでございますよ」
おさとの方は童歌を歌いながら、二つのお手玉を器用に投げては受け止めた。どのお手玉もおさとの方の打掛を仕立てた際の余り切れで作っている。
眼にも綾なお手玉が宙に投げ上げられては、おさとの方の手のひらに戻ってくる。典姫はさながら手品でも見るような眼でその光景を眺めていた。