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蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
「敵は一人でも少ない方が良い。わしもできることならば、親戚から科人は出しとうはないからの。それに、頼母も頼みとする信豊がおらずば、羽をもがれた鳥も同然であろうよ」
信頼は笑った。おさとの方は今更ながらに、信頼の深謀遠慮に驚嘆する想いであった。
信頼は分家の当主信豊を自分の代わりに江戸で行われる将軍の葬儀に列席させ、信豊の留守の間にすべての事を片付けてしまうつもりに相違ない。おさとの方には信頼の意図が手に取るように判った。
信頼は笑った。おさとの方は今更ながらに、信頼の深謀遠慮に驚嘆する想いであった。
信頼は分家の当主信豊を自分の代わりに江戸で行われる将軍の葬儀に列席させ、信豊の留守の間にすべての事を片付けてしまうつもりに相違ない。おさとの方には信頼の意図が手に取るように判った。