この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
やはり、堅物の盛綱の倅(この場合、娘か)だけはあると頼母も思わないわけにはいかなかった。頼母は聡一郎がおさとの方となってから、幾度か見かけたことがある。むろん藩主の愛妾であるから、遠目にちらりと見たにすぎないが、見事なほどの変身ぶりであった。抜けるように白くなめらかな膚、整った美貌、あれだけの佳人ならば、信頼の手の付くのも頷けると頼母でさえ思ったものだ。女盛りの色香が匂い立つように漂い、頼母の食指をそそる。