この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
密議を終えた信頼はおさとの方の眠る床にすべり込んできて、夜明けまでのひとときを過ごす。陽が昇ると共に、信頼は何事もなかったかのような―あたかも朝まで愛妾との濃密な一夜を愉しんだかのような満足げな顔で表に戻っていった。
信頼は自分が集う藩士たちの旗頭であることを十分に心得ている。彼等にとって藩主である信頼は己が理想を現実たらしめるための錦の御旗であり、信頼を失った時、彼等は目的を失い、正義のための闘いも単なるお家騒動か暴動になってしまう。
信頼は自分が集う藩士たちの旗頭であることを十分に心得ている。彼等にとって藩主である信頼は己が理想を現実たらしめるための錦の御旗であり、信頼を失った時、彼等は目的を失い、正義のための闘いも単なるお家騒動か暴動になってしまう。