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第5章 第二部【こぼれ桜】　其の二　水面下の計略

「わしはこれまでにあまたの者の生命を奪った。たとい忌まわしき病に突き動かされていた上の所業だとしても、それを言い訳にできるものではない。今のわしにできるのは、河北藩を安寧に導くこと、ただそれだけじゃ。逝った者たちが愛し守ろうとしていたこの国を彼等に成り代わり、我が手で守ること―、それがひいては殺めた者たちへの供養になろう」
「―殿」