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蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
 大義名分なぞどうでも良い。他ならぬおさとの方自身が信頼を死なせたくないのだ。信頼にはどんなことがあっても、生きていて欲しい。
「私は本当は―他のことは二番目で良いのです。ただ殿がご無事でお戻り下されば、他に望むことなぞございませぬ」
 その呟きは涙に溶けた。
「おさと」
 信頼が感に堪えかねた声で呼んだ。
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