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第6章 第二部【こぼれ桜】　其の三　散る桜、咲く桜　

　見事頼母や取り巻きを討ち取ったときは良し、万が一こちら側がしくじったとき―最悪には信頼が落命した場合、早急に江戸の水戸部新左衛門に連絡を取ることまで事細かに決めていた。実は水戸部には既にこたびの計画の子細を書面にて知らせてある。信頼が不幸にして生命を落としたときには一子長松丸を立て新藩主とし、水戸部を新たな家老としてその後見に立てる旨も公式な書状として江戸の水戸部に送っていた。