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蜜愛~男になった女~
第6章 第二部【こぼれ桜】 其の三 散る桜、咲く桜 
 源左衛門の顔色は出血のため蒼白ではあったが、生命に別状はなさそうである。信頼から顔を背けていたため表情は窺い知れなかったけれど、信頼には源左衛門が微かに頷いたように見えた。
 その頃には大方、勝負はついていた。
 筆頭家老である頼母の屋敷には常時十数人の家臣が詰めているが、愕くべきことに、信頼以下の若き藩士たちは僅か六名の手勢ですべてを片付けたのであった。
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