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蜜愛~男になった女~
第6章 第二部【こぼれ桜】 其の三 散る桜、咲く桜 
「―申し訳ござりませぬ。私の配慮が足りませんでした」
 おさとの方が謝ると、信頼はつと立ち上がり、部屋の障子を開け放った。
 冬に逆戻りしたかのような冷気が部屋に忍び込んでくる。既に西の空は夕焼けの色に染まり、残照が今日一日に名残を惜しむかのように空を黄金色(きんいろ)に染め上げていた。
 信頼は縁に佇み、次第に黄金色から茜色に染まりゆく空を眺めた。
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