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蜜愛~男になった女~
第6章 第二部【こぼれ桜】 其の三 散る桜、咲く桜
「数日前に侍医に診て頂いたところ、三月(みつき)になるとのことでございました。本当は一日も早うにお伝えしたかったのでございますが、殿は今日の大事をお控えになられておられました。余計なことでお心をお煩わせしたくなかったのでございます」
おさとの方の言葉に、信頼は真剣な面持ちで首を振った。
「何を申すか。万一、あえなく落命しておったらば、わしは我が子が生まれることさえ知らずに死んでおったのだぞ」