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蜜愛~男になった女~
第1章 第一部【白桜記】 其の一・山桜
信頼は嫌らしげな薄笑いを浮かべていた。その眼は聡一郎の豊かな膨らみを執拗に舐め回すように見ている。
「ひと想いに殺せ、とな。なるほど、切支丹(キリシタン)は自害はできぬか」
嘲笑うように言い、信頼は聡一郎の胸の谷間に輝く十字架(クルス)の首飾り(クルス)を手に取った。
シャランと、十字架が音を立てて揺れる。
聡一郎は自身が女であることの証ともう一つ、切支丹であることをその幾重にも巻いた布の下にひた隠していたのだ。