この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜜愛~男になった女~
第8章 番外編【櫻の系譜・壱~雪時雨(ゆきしぐれ)~】 弐

愕くべきことに、信頼は白昼から堂々と愛妾と情事に耽っている。その噂はどうやら紛れもない事実だったようだ。長儀子の中に深い絶望と哀しみが生まれた。ちらりと見た女の寝衣の襟許はしどけなく開き、帯も殆ど解けていた。
「して、用向きとは何じゃ」
立ったまま白々しく言うのに、長儀子は両手をつかえると頭を下げた。
「京より文が参り、父が病に倒れたそうにござります。症状も芳しからず、私を京へしばらく里帰りさせては頂けませぬか」
「して、用向きとは何じゃ」
立ったまま白々しく言うのに、長儀子は両手をつかえると頭を下げた。
「京より文が参り、父が病に倒れたそうにござります。症状も芳しからず、私を京へしばらく里帰りさせては頂けませぬか」

