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蜜愛~男になった女~
第8章 番外編【櫻の系譜・壱~雪時雨(ゆきしぐれ)~】 弐

真に他人(ひと)から愛されることもなく、また、自らも誰をも愛することなく―。信頼が命じれば、女は皆その身を投げ出すが、一体、閨に侍った中の何人の女が真から信頼を愛していただろうかは疑問だ。
唯一、信頼が幼少の頃からの傅役である筆頭家老榎木盛綱とその嫡子聡一郎盛信のみは信頼に正面から臆することなく諫言できる存在であった。聡一郎は弱冠十六歳ながら眉目秀麗、頭脳明晰にて早くも次の家老職は安泰と囁かれるほど有望な少年である。
唯一、信頼が幼少の頃からの傅役である筆頭家老榎木盛綱とその嫡子聡一郎盛信のみは信頼に正面から臆することなく諫言できる存在であった。聡一郎は弱冠十六歳ながら眉目秀麗、頭脳明晰にて早くも次の家老職は安泰と囁かれるほど有望な少年である。

