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蜜愛~男になった女~
第9章 番外編【櫻の系譜・壱~雪時雨(ゆきしぐれ)~】 参

―信頼様、やはり私では駄目なのでございますか? 信頼様のお淋しさを少しなりとも埋めることさえ、私にはできないのですか?
信頼は依然として何も応えない。長儀子の胸に言い知れぬ絶望感がひろがった。
その時。一陣の強い風が吹き抜けた。
信頼が微笑する。だが、その微笑みは長儀子に向けられたものではないようだ。信頼の視線は、長儀子を通り越し、はるか彼方を見つめている。長儀子はハッとして背後を振り返る。確かに、そこには誰かがいる。
信頼は依然として何も応えない。長儀子の胸に言い知れぬ絶望感がひろがった。
その時。一陣の強い風が吹き抜けた。
信頼が微笑する。だが、その微笑みは長儀子に向けられたものではないようだ。信頼の視線は、長儀子を通り越し、はるか彼方を見つめている。長儀子はハッとして背後を振り返る。確かに、そこには誰かがいる。

