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蜜愛~男になった女~
第10章 番外編【櫻の系譜・弐~水面の月-高嶺桜-】 壱―お千世

信純が城の並いる女たちとの月並な情事に飽きて、常とは違う非現実の世界で戯れの恋を愉しんでいる、つまりお千世との恋は信純にとって、かりそめの恋でしかないのだとは、流石に雄次郎は言えなかった。
許婚者である自分を裏切ったお千世への怒りや憎しみよりも、雄次郎の中にあるのは、ただお千世の身を案ずる想いだけであった。幼い頃は妹のようにしか思えなかったお千世への想いが異性への思慕に変わったのは、いつの頃だったのだろう。
許婚者である自分を裏切ったお千世への怒りや憎しみよりも、雄次郎の中にあるのは、ただお千世の身を案ずる想いだけであった。幼い頃は妹のようにしか思えなかったお千世への想いが異性への思慕に変わったのは、いつの頃だったのだろう。

