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第2章 第一部【白桜記】　其の一・高嶺桜

　何より、おさとの方を哀しませたのは、自分が人間扱いをされていないことであった。遠乗りに出た先の山奥で手込めも同然に身体を奪われ、帰ってきてからは自邸に戻ることも許されず城に連れてこられた。
　あの白い花の咲く桜の樹の見える川原で、おさとの方は信頼に犯された。あの折、おさとの方は信頼に嫌だと泣いて訴えたのに、信頼は聞き入れようともせず、荒々しくおさとの方の脚を開かせた。