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蜜愛~男になった女~
第12章 番外編【櫻の系譜・参~花水木(はなみずき)~】
信頼は聡一郎のその生真面目さを嫌いではなかったが、あまりにも判りきった理屈ばかり言われては息が詰まりそうになるのも無理はなかった。何しろ、聡一郎には羽目を外すといったことは一切ない。何事もすべては主君やお家のためであり、その行動基準の第一は他ならぬ信頼であった。
信頼は常に聡一郎を傍に控えさせていたが、その謹厳ぶりが時として鬱陶しく思えた。たった一つ上だけの聡一郎が何十年も人生を生きた老人のような理屈を言うと、無性に腹立たしさを憶えた。
信頼は常に聡一郎を傍に控えさせていたが、その謹厳ぶりが時として鬱陶しく思えた。たった一つ上だけの聡一郎が何十年も人生を生きた老人のような理屈を言うと、無性に腹立たしさを憶えた。