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第12章 番外編【櫻の系譜・参～花水木（はなみずき）～】　　

　信頼に見つめられる時、聡一郎は時として恐怖を感じるときがあった。思いつめたような光を宿した視線の中には、相反する好悪の感情が渦巻いている。それは、聡一郎を訳もなく怯えさせた。
　と、信頼がとうとう聡一郎を投げ飛ばした。華奢な身体が毬のように宙へ無げ上げられ、やがてドサリと音を立てて地面に放り出された。
　聡一郎の身体は地面に叩きつけられたまま動かなくなった。