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蜜愛~男になった女~
第2章 第一部【白桜記】 其の一・高嶺桜

「美しいな」
信頼は呟くと、おさとの方の唇を吸った。
信頼は癇性で我がままな性格ではあるけれど、発作を起こしておらぬときに限っていえば、英邁な君主でもあった。
天候不順で米が不作の年には年貢を大幅に免除するという情理さえ備えている。飢饉の折には積極的に炊き出しをして、飢えた民にふるまったこともあった。今はまだ二十歳の若さであり、短気に走るところがあるが、いずれは良き藩主となるのではないかと聡一郎(おさとの方)は信じていた。
信頼は呟くと、おさとの方の唇を吸った。
信頼は癇性で我がままな性格ではあるけれど、発作を起こしておらぬときに限っていえば、英邁な君主でもあった。
天候不順で米が不作の年には年貢を大幅に免除するという情理さえ備えている。飢饉の折には積極的に炊き出しをして、飢えた民にふるまったこともあった。今はまだ二十歳の若さであり、短気に走るところがあるが、いずれは良き藩主となるのではないかと聡一郎(おさとの方)は信じていた。

