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カクテル好きの男たち
第9章 白バイ野郎
「LINE交換してよ」
ドロドロになったペニスをティッシュで拭いながら豊田がスマホを差し出してくる。
「俺が『さげまん』の良美とセックスをして
運気が下がる度に、
あんたを抱いて運気を上げてもらわないと…」
客としてサービスの一貫ではなく
珠代に俺の愛人になれと言うのだ
戸惑う珠代に、
「拒否権はないよ、
いざとなれば売春で
この店を摘発できるんだからね、
わかってるよね?」
豊田は卑屈そうに笑った。
人の良さそうな顔をしているのに、
それはきっと表面だけだ。
仕方なく、珠代はスマートフォンを出して
連絡先を交換した。
豊田はその場で、
珠代にLINEメッセージを入れた。
『LINE~!』
けたたましい電子音声が店内にこだました。
正しい連絡先だと確かめて、
珠代の肩をポンと叩いた。
「また連絡するから、
ちゃんと相手してよね?
そうじゃないと…どうなるかわかるよね?」
別に、セックスをして
金額の受け渡しなどしていないのだから
売春とは言えない。
だから、連絡を無視することだって、
きっと出来なくはない。
それでも、珠代はこれからも豊田に抱かれる事を
了承してしまった。
豊田に散々弄られた身体が、
ジンジンと疼いて快感の余韻を楽しんでいた。
「またね、珠代ちゃん」
かなり年下のくせに
豊田は馴れ馴れしくそう言って
去り際に脇腹をそっと撫で、去っていった。
そんな接触だけでも、身体がビクン!と反応した。
「私って…求められたら拒めない体なんだわ」
それが、この店のコンセプトだとわかっていても、
ついそんなことを呟いてしまう。
幸いなことに
それから豊田はLINEをしてこなくなった。
良美にさりげなく豊田の事を聞いてみたら
あの後すぐに白バイ隊員の追試に合格して
半年後に入籍するつもりだと聞いた。
『そう…私はもう用なしって訳ね』
次の連絡を期待してしまっている自分に
ため息を突きながらも、
珠代の気持ちは、すっきりしてしまっていた。