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カクテル好きの男たち
第2章 最初のお客さま

一方、バーの状態はというと…

「開店休業状態ね…」

秀一から「そんなにお客の来ない店だからね」と
そんな風に言われていたけれど
まさかこんなに暇なんて…

今夜はさっさとあきらめて店じまいをしようかしら

そう思って看板の電源を落とそうと思った瞬間、

「こんばんは~、営業再開ね」

そう言って婦警の相川良美が顔を覗かした。

今夜は非番なのだろう。
制服を着ていない彼女は長身ゆえに
ワンピースがよく似合っていた。

「もう閉店にしようかなと思っていたの」

「え~!そんな~…
せっかくお客さまを連れてきてあげたのにぃ」

気づくと彼女の後ろに
これまたガタイのいい青年が二人いた。
彼らは店に足を踏み入れていいものかどうか
迷っているように戸惑っていた。

「あら!いらっしゃいませ~
良美さん、人が悪いわ、
お客さまならそれを先に言ってよ」

さあ!どうぞ!
お好きな席に座ってくださいな

珠代は三人を快く迎え入れた。

二人の男は良美の警察学校の同期なのだそうだ。

一人は隣街の交番に配属された男で
香川健斗と名乗った。

もう一人は所轄の警察署に配属され
白バイの警ら隊を目指している豊田礼二と名乗った

「三人、仲がいいんですね」

良美を真ん中に挟み込むように座ったパターンは
どちらかが良美と付き合っている訳でもなく
仲の良い友だち同士によく見られる相席パターンだ



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