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カクテル好きの男たち
第11章 永遠に貴方のもの

。。。。。。。。

「いらっしゃいませ」

バリトンの耳に心地よい声が梓ママを出迎えた。

「大杉くん、
すっかりバーテンダーが板についてきたわね」

梓ママはお気に入りの
新調されたカウンター席に座って
若いバーテンダーを
ウットリとした眼差しで見つめた。

「いえ、まだまだですよ」

モスコミュールでよかったですよね?
そう言ってカクテルを梓ママの前に差し出した。

「うん、秀一さんの味に近づいてきたわ」

モスコミュールを一口飲んで
出来の良さを褒め称えた。

「本当ですか?
ありがとうございます」

こちら、僕の考えた新作なんですけど
試しに飲んで貰えませんか?
差し出したグラスを受けとるフリをして
梓ママは大杉と言う名の青年の手をとった。

「どうせ試すんなら、
若いあんたのエキスを試飲させて欲しいわ」

「またまた、ご冗談を…」

そう言って大杉は梓ママの手から逃げた。

「あんたのそう言うとこがまだまだなのよ」

ため息をつきながら
梓ママは秀一を懐かしく思った。

バーを改装したのはいいけれど
秀一はもちろんの事
珠代もバーテンダーから足を洗うと言い出した。

代わりに雇われたのが
この大杉という青年だった。

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