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そんな男性方
第2章 不思議なもんですね
「たとえば俺たちが結婚したとする」
「してくれんの?」
「仮定な」
「おう」
「俺はお前の子を産めない」
「男性にも子宮跡ってのがあるらしくて」
「そういう話をしてんじゃねえよ。真面目に聞けバカ」
「……おう。不愉快だけど」
「なんでだよ」
「んなこと考えたら、嫌でも思い知るだろうが」
「なにをだよ」
「生命の摂理に合ってねえなって!」
「……なに難しい言葉使ってんだよ」
「オレはオレの子供が欲しいさ!」
「じゃあ別れて女孕ませろよ!」
「ちっげえだろうが! オレは! お前との子供が欲しいの! 血を分けるんだよ」
「……は、はあ?」
「そうか。血を分けたって比喩じゃねえんだか……ガキってのは親の血を半分ずつ受け継いでる。じゃあその母親はどうだ? 胎児は父親の血が……その存在を育てるんだからな……」
「ない頭で考えんなよ」
「考えるよ! そっちが言い出したんだからな!」
「同期が親になったらいつまでこんなことして良いんだって思うだろうが!」
「子供を介さないと不満足か?」
「ちげえんだよ……でも、そうなのか? 最近ずっと考えるんだ」
「……オレらは間違ってない」
「あのなあ」
「いいじゃねえか。個人として個人を愛してなにも残さず死んで何が悪い」
「……ここで養子とか言わねえとこがお前好きなんだよ」
「やっとわかったか?」