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第1章 蟲に溺れる
私は首筋からの刺激に切なくなり、そっと男の肩にに手を回す。熱く 節くれ立った厚い手が背中と膝下に回り、男は耳への愛撫をしたまま私をベッドへ連れ去った。
ベッドに下りると二人はまるでうぶな恋人たちのように真正面から熱く口づけを交わす。
ふざけたように笑い、攻めたりいなしたりしながらもつれては、この男が新しくしたシーツにシワを走らせる。
男がガウンの上から胸をさする。そのたびにじわじわと染みが大きくなり、私は瞳を虚ろにしながらその快感を味わっていた。

「この蟲は代々特殊な交配を繰り返して生み出された生き物なんだ。人間が気持ちよくなるために、人間を操作して命を繋ぐように。」

若い男は染みの上から乳首をくわえ、
ぢゅうっ と音をたてながら強く吸いつく。
もうか片方の胸を優しくつかみ、親指の腹でスクロールするように擦っている。

「あっあ ああ、あ」

若い男がガウン越しにもどかしい口づかいを繰り返す。私は男の頭をかき抱きながらどくどくと血の巡る下腹部を疼かせる。
逃げるようにうつ伏せとなり追いすがるように男が覆い被さる。
手は休まずに胸の上で踊る。女の背中に噛みつく男の熱い身体が背面を埋め尽くす。
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