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第3章 影のないひと
美しい人は悪いやつに影をとられた。
美しい影は悪いやつの鏡に貼り付けられ、毎日悪いやつの愛を受けた。
影のない美しい人は影たちに羨まれた。
影は美しい人とひとつになりたがった。
美しい人は夜になるとさめざめ泣いた。
夜は夜が美しい人とひとつになりたがって
家の戸を叩く。
でも美しい人の影は一つしかない。
美しい人は今日もさめざめ泣いている。
美しい人は影のない人だった。

(asachang&巡礼より「影の無い人」のオマージュ)
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